2018/06/01

演出業=ドッペルゲンガー

先日、大盛会のうちに終了した仙台向山吹部さんの定期演奏会。
本番当日は、FDC若手講師のSINOも同行し、自分が手がけた演出を観覧しました。

演奏会終了後、彼女に尋ねたんですよ。
「どうだった?自分が舞台に出る時とは、全然違った感動があるでしょ?」

SINOいわく「はい。全然違います。何だろう、これは。初めての感覚です!」。

そうなんですよ。不思議な感覚がするものなんです。

自分が舞台に立つ喜びは、自らの行動によって得られるものですよね。
例えば、ケーキを食べたから幸せ、花を飾ったから嬉しい、と同じタイプの喜び。

一方、自分が演出した舞台を見る時は、自分の事でありながら自分と離れた所にある…、
言わば “ドッペルゲンガー” を見ているような不思議さが生じます 笑

ドッペルゲンガーって、ご存知ですか?
自分自身の姿を自分で見る幻覚の事です。

FDC仙台のダンサー・ヒゲーニョ木村

演出をする段階で、私の頭の中には “完成シーン” が作られるワケです。
自分の頭の中にだけ存在した完成シーンが、現実世界で再現され、自分はハタから見る。
不思議な違和感とともに、私はこう思うんですよ・・・
「そうそう、こういうシーンにしたかったの。有難う、演者の皆さん!」

自分で考えて、自分が動く分には、“伝える苦労&理解する苦労” はありません。
だけど、自分が考えた事を他人に完成してもらうには、沢山の工程を経ますね。
伝える&理解する…が何度も必要。演出指導だけでなく、衣装など裏方仕事の際も…。

みんなで大仕事をするワケで、立派なドッペルゲンガーを見ると感慨ひとしおですね。

SINOさん! 演出って “不思議、かつ、大きな喜び” があるでしょ??
是非また、味わってくれたまえ(…と声をかけ、再び手伝わせようと思う 笑)


◆自分が踊る事も楽しいのですが、
ダンサーの育成と、舞台演出は、
これがまたオモシロイのでございます。
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