2012/08/24

真夏の武道場② やっぱり、ハグだろう

ちょっと別の話から入りますが、ロンドン・オリンピックの女子レスリング、浜口京子
選手。
初戦敗退で何とも残念でしたね。私は彼女が落ち込み過ぎるのではないかと、
非常に心配になってしまったのですが、ある場面を見て安堵しました。
 
試合後、京子選手が現れるまでの間、父のアニマルさんは 「やっぱり、ハグだろう」
と何度かおっしゃっていましてね。それを興奮冷めやらぬお母様にたしなめられて
いました・・・ 「もう、ハグだなんて。こんなんじゃ、おさまらないよ」 といった調子に。
そこへ、京子選手が現れました。彼女の心の中はきっと 「ごめんね」 という気持ちで
いっぱいだったと思います。苦労をかけたご両親の為にもメダルがほしいと、
試合前の取材の折、涙目で告白されていたぐらいですからね。 この計り知れない
心痛の中にある京子選手を、父・アニマルさんが一瞬にして笑顔に変えます。
 
 「きょーこー、ハグしよーーー!!」
 
報道陣に囲まれ、そんな雰囲気では無い時に飛び出したアニマルさんのデカイ声
・・・ 一同がコケッとなったというか、場が明るくなりました。京子選手も笑いながら、
大粒の涙をボロボロと落としておられましたね。アニマルさん、見事な1本勝ち!!
お母様も含めて、家族3人がダンゴになっている姿を見て、「ああ、ここのお家は、
こうやって、家族で癒しあえるんだな~」 と安堵した次第です。
 
実はですね、私も感極まると “ハグをしたい派” なんですよ。アニマルさんの
一件で、やはりハグは素晴らしい、などと気分を良くしていた所にですね、絶好の
チャンスが訪れました。向山吹奏楽部の3年生さんが、いよいよ部活卒業という
事で、私へのメッセージがぎっちり書かれた色紙を下さったんですね~。
目頭が熱くなり、もうこれは 「やっぱり、ハグだろう」 とあいなりました。
 
 向山吹奏楽部3年生×アニマル木村
 (↑↑「もう!みんな、ハグだ!!」 と叫びながら、こちらの学生さんたちへ
  突っ込んでゆきました。ここに 「アニマル木村」 誕生(笑)
 
私は思いましたね。世の中の多くの仕事がそうであるように、私の仕事も形には
残りません。舞台をご覧下さったお客様の記憶に、少しでも長く留まれば嬉しいの
ですが、それもなかなか難しい。誰が一番、私の仕事の記憶を留めて下さるか、
というと、出演者に当たる皆様ですね。誰かの大切な思い出の中の1つとして
存在できる事、誰かの思い出をより楽しいものに出来る事・・・
それが 私の働く甲斐 というものなのでしょう。光栄過ぎます。